かぶせ茶や玉露は、覆いで日光を遮ることによって茶葉の色は緑が濃く鮮かになり,テアニンと呼ばれるアミノ酸(L-グルタミン酸の誘導体)の含量が多い甘いお茶ができる。その成分変化の秘密。
■テアニン
テアニン(アミノ酸)は、根で生合成されて茎を通って新芽に移行し貯えられる。このテアニンは、新芽の生長するにつれて減少していく。また、日光があたると酸化されて次第にカテキンに変化していく。つまり甘いアミノ酸のテアニンが減少していく。
日光をさえぎることによりこの変化が抑制され、覆いをした新芽は、露天の新芽よりテアニンが多く含まれる結果となる。
■カテキン
緑茶に使用される茶葉(小葉種)は、烏龍茶(中葉種)や紅茶(大葉種)に使用される茶葉に比べもともとのカテキン含量が少ない。アミノ酸が変化するカテキンともともと茶葉に含まれるカテキンをどれだけ残すかが緑茶の風味を作用する。覆いをかぶせた茶葉のカテキン含量は、普通の露天茶の新芽よりかえって少ない。その理由は、覆いによってアミノ酸の酸化が押さえられカテキンに変化していないためである。
また、もともとカテキンを多く含む烏龍茶用の茶葉や紅茶用の茶葉は、カテキンが加工工程で酸化重合され、テアフラビン(theaflavins)、テアルビジン(thearubigins)に変化し、逆に仕上がった茶葉にはカテキンはほとんど含まれない。つまり、中葉種や大葉種のようにカテキンが多すぎる茶葉ではカテキンの酸化が早すぎて緑茶のようなさわやかな香りは生まれない。
■クロロフィル
クロロフィルとは、葉緑素ともいい茶葉の緑の成分。クロロフィル量は、茶芽の生育するにつれて増加する。覆いをした新芽で作られた茶葉は、露天茶に比べ2倍近く多くなり濃い緑色となる。
このかぶせ茶は、「おおい香」とよばれる特有の香りをもっており、この「おおい香」は,茶芽中のカロチノイドが製茶工程で分解して生成された化合物,少し青臭く,生海苔のような香りを含んだ独特な香りがする。この香りがかぶせ茶で作られる「抹茶の香り」の主な特徴。
台湾の高山茶が人気であるが、高山茶は、条件が揃うと、雲や切りが日光を遮り、かぶせ茶と同様の環境で育つため、アミノ酸の多い甘い烏龍茶が出来る。